現代は、正社員になるのが難しい世の中である。年々非正規雇用の人口は増加しており、もはやその数は正規雇用を上回ろうかというレベルである。人を雇う側からしてみれば、非正規雇用の方が気軽で、しかもリスクがない。非正規雇用は、正規雇用に比べて給料を低く設定できる上に、万が一のときに解雇しやすいという手軽さがある。こうした事実を考えれば、非正規雇用が拡大するのはある種当然のことだ。
労働者からは保険に入れずに苦労をしたり、ボーナスが支給されなかったりという大きな問題もあり、生活が成り立たないという悲鳴も聞こえてくる。こうした労働環境の悪化が、現代日本の課題なのである。こうした状況下にあっては、誰もが正社員を目指すために業界選びをし始める。
そんな中、介護業界や医療業界は比較的正社員を目指しやすいため若者に注目をされている。医療福祉系の仕事は安定しているだけでなく、やりがいも強い。高齢者の暮らしをサポートする介護士なら、利用者に直接感謝されるシーンも多いことだろう。人に感謝をされる仕事はなかなかなく、その点でも魅力を感じている若者が多いのも事実だ。しかも、こうした仕事は人手不足が深刻であって、資格を取得しさえすれば多少年齢を重ねていても受け入れてもらえる点が素晴らしい。就職活動に失敗をした人も、長くニートをしていた人も、福祉の仕事なら活躍の場を見つけることができる。しかも、介護福祉士やケアマネージャーの資格を取れば、業界内で上のポストへと駆け上がっていくことも可能だ。定年まできちんと働ける数少ない職業の一つだいえるだろう。医療系の仕事になると、業務が命に関わるため勉強が欠かせなくなる。ただ、もし看護師免許等をとれば、そのスキルが一生ものになることには違いないだろう。
正規雇用として長年務めたいのであれば、こうした人材ニーズの高い業界を目指すといいだろう。どこにでも事業所がある上、求人の数も安定した介護や医療で正規雇用されていれば、どんな不況の時代になったとしても、路頭に迷う心配なく生活を送れるはずだ。